2012年5月29日火曜日

甘さには依存性はあるのか


甘さには依存性はあるのか

甘味を伝える神経と脳内麻薬であるエンドルフィンの分泌を
促す神経がつながっているという説があります。
もしこれが本当だとすると、甘いものは快感を与えるということも、
砂糖の依存症になるということも説明がつくことになります。
しかし、エンドルフィンはかつて考えられていたほど
快感に関係するものではなく、
せいぜい痛みを鎮めるのに役立つだけだということが明らかにされました。
では、甘いものに依存性はないのだろうか。
日本では、酒を飲む人は辛党、塩味を好むなどと言われ、
欧米ではアルコールを飲む人、
またはアルコール依存症の人は同時に甘いものが好きな人が多い。


甘いものに目のないアルコール依存症の人は家族性に現れる。
つまり、遺伝子にそのような傾向があるということです。
ただ、興味深いのは、アルコール依存症の人に甘いものを食べさせると、
アルコール依存度が減るということです。つまり、この両者は、
相互に好みを高め合うのではなく、
甘味にはアルコール摂取を抑制する作用があるのです。
快感を与えることにより、脳の働きをそれ以外の薬物、
嗜好品に頼らなくしていると言ってもよいでしょう。
少なくとも、現在までの研究では、甘いものに
中毒的な依存を起こす力はないと思われます。