2012年4月21日土曜日

昔は薬だった砂糖

砂糖とか甘いものについてアンケートで調べると、
まず肥満の原因だと答える人が大部分です。
糖尿病になる、砂糖には骨を溶かす作用があるとか、
甘いものを摂るとキレやすくなるなどがあります。
さらに、甘いものを欲しがる人はその魅力に
抗しきれないことが多いので、砂糖には
麻薬作用をもつ成分が含まれていると思っている人もいます。


ルネッサンスの前までは、イスラムの医学では、
砂糖は最もよく使われる薬でした。
中世のヨーロッパでも薬と使われ、
本格的に使われ始めた16~17世紀には、
結核など10種類以上の病気の薬として用いられていた。
薬として使う習慣は、つい最近まで
ヨーロッパの農村や山村に残っていたようで、
小説などでも、疲労した人になめさせるシーンが描かれています。
もし砂糖が本当に体に悪いなら、
砂糖の消費拡大に伴い、病人が続出したはずです。
しかし、甘いものを摂りすぎると、
体に害があるかもしれないということが、
ヨーロッパで言われだしたのは、19世紀半ば以後でした。
けれど当時は、それもほとんど問題にされていなかったのです。